PSVRフリークブログ

PSVRをきっかけにCS機のゲームに戻ってきたなんちゃってゲーマーがPSVRに関する気になる情報やプレイしたレビューなどを発信します。

【PlayStation VR】 Kismet レビュー

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VRはゲームとしての面白さだけでなく、体験としての楽しさも売りの一つだと言える。 ゲームではなくアプリという位置づけのKismetだが、 その独特なゴシック様式の世界観に浸るという意味で高いクオリティを実現している。 非常に意欲的な一本だ。

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まずは公式トレイラーをご覧ください。

www.youtube.com

概要

  • 北米ストアリンク:Kismet
  • 販売形態: ダウンロードのみ
  • 日本販売:無し
  • 日本語対応:無し
  • 発売日:2016/10/13
  • 価格:$6.99
  • ジャンル:鑑賞・ヒーリング系
  • プレイヤー: 1人
  • VR: 専用
  • コントローラー:DUAL SHOCK 4のみ
  • PlayStation pro対応:あり

ゲームシステム

Kismetとは仮面を被った淑女の名前。 仮面舞踏会のような怪しげな仮面に結った黒髪、トナカイのような角、口布。 怪しいが、妖艶な魅力がある。 関節は継ぎ目があり、魔法人形なのか、自分を人形化して生き永らえている魔女なのか。

プレイヤーはテーブル越しに面会するような形でキスメットの対面に座っている。 部屋は薄暗く、ランプと蝋燭が怪しく光り、古い書物が棚積みされている。 鳥かごやティーカップ、煤けた音楽を鳴らす蓄音機、昆虫標本などのアイテムが並び怪しげな雰囲気を更に際立たせる。 開始するとKismetは挨拶してくれ、何をするか質問してくれる。 選択肢は3つ、タロット占い、誕生日を入力する星占い、すごろくのようなミニゲーム。 そのどれもが独特の世界観で煌めいてプレイヤーを楽しませてくれる。

タロット占い

プレイヤーはタロットカードの山から3枚のカードを抜き取る。 3枚はそれぞれ、過去・現在・未来に対応しており、 出たカードによる占い結果をキスメットが手振りを交えて解説してくれる。

タロットカードはそれぞれ対応する絵が描かれており、 その絵がカードの中で奥行きを持っており動いているのだ! 動くカードはタロットやカードゲーム好きにとっては夢の一つだと思うが、 ユラユラとかわいく動くカードは魅力的。 一度見たカードは後からコレクションとして閲覧することができる。

星占い

星占いを選択するとまずテーブルがくるくると回転し、 下からカラクリ仕掛けの動く太陽系の天球模型が現れる。 場所も部屋からいつの間にかプラネタリウムのような空間に変貌しており、 足元と周囲にはゆったりと回転する魔法陣が光っている。

夜空の表現としては2016/12/28現在筆者がプレイした多くのソフトの中でもピカイチ。 手元の機械式カレンダーのような物で誕生日を入力すると、 夜空に対応する星座が浮かび上がり、恐らくPS4のシステムの日付を参照して、 今日の運勢を解説してくれる。 また、占い結果をまとめたカードを貰えるので、それを読むこともできる。(もちろん英語)

すごろくミニゲーム

タロット・星占いから打って変わって、砂漠の遺跡後のような場所に変わる。 ルールは単純、正四面体のサイコロを4つ振って、出た数分駒を進める。 相手の駒と同じマスに止まると相手の駒を戻すことができる。 またマスにはもう一度サイコロを振ることができるマスもある。 コマは3つあり、前記の相手を戻すルール・もう一度振るマスと合わせ、 どのコマを進めるかの戦略が一応ある。 ゲーム自体はこれと言って面白いものではないが、 ステージの変貌や、相手の駒を落としたり落とされたり勝ち負けが決まった時のキスメットの反応が魅力。

日本語化は?

対応なし。 全編英語であり、占いの内容の解説が主なので英語がわからないと魅力は減かもしれない。 が、それを置いてもその雰囲気を味わう価値はある。

英語自体は、筆者が占いなどの単語に親しんでいないのもあり、 また、感情表現の為、抑揚やテンポの強弱があり、 例えば「The time machine」のオペレータの綺麗な聞き取りやすい英語に比べると、 比較的聞き取りにくい。

操作

×ボタンでの決定と○ボタンでのキャンセルのみ。 移動等も無い。

酔いは?

サマーレッスンなどと同じく定点でのプレイの為、酔う要素は無し。

グラフィック

アップデート履歴を確認すると、PlayStation 4 Proに対応の項目がある為、対応済みのようだ。 筆者はProでしかプレイしていないので注意。

グラフィックは、テクスチャやオブジェクトの量、星空など遠景の表現と、 どの要素をとっても2016年発売のソフトで随一といえる。 テーブルの木目などもしっかり表現されている。

特に目を引くのは星占いでの星空と魔法陣の美しさ。 さらに星占いでは天体模型の精巧さも目を引く。 歯車で動く惑星や衛星を眺めているだけで長く時間を使えるはず。

ボリューム

1ステージ2~3分であるが、そもそも7ドルに対しては十分。 造形物の作りこみなどを考えると割安かも。 1日1回占いをしてもらって、カードを集める楽しみもある。

良い点

  • グラフィックの精巧さ

上で述べた通りこのグラフィックと世界観は体験するに値すると思う。

  • キスメット姐さんの存在感

喋り方の抑揚の付け方、視線の移動、手振り。 存在感に着目してデザインされたキャラクターにこだわりを感じる。 オートマタ?の見た目に代表される設定で、 現時点の技術力ではどうしても出てしまう違和感も かえってわざと作られたものだと思えるようになっており、 計算されたキャラクターに感心する。

悪い点

  • 日本語未対応

占い内容を聞き取るにはちゃんと英語ができないと辛い。 占って貰う内容がわかればさらに楽しめるがいたしかたない…。

  • Move未対応

PCで出ている方は、カードを引いたり、賽子を投げたりするのにハンドコントローラーが使えるらしいが、 こちらは未対応。 PCでもできないらしいが、部屋の小物は良くできているのでいじれたら良かった。

  • スクリーンショット・動画保存の禁止

アプリは禁止なのかわからないが、プレイをPS4上で撮影することができない。 せっかく美しくて、SSとして残したいと思ったが出来なかった。

まとめ

雰囲気一点突破の作品だが、非常に出来がよく、ゲームの合間や最後にプレイするのに最適。 グラフィックも現状最高レベルで可能性を垣間見るという意味でも試してみる価値があるソフトだ。